NewfrontiaSoftware 2011 新作

何色にも、染まらない ~It doesn't dye even to the color. ~

HOMEストーリーイラスト制作情報ダウンロードその他

何色にも、染まらない 最新版原稿

■ S U M M E R ■

☆2 自然の緑に囲まれたバカンス

「@Rai.M 黒髪の少女がすごいって…なんだかすごいことになってるわね (。_。)」
「@Maki.K もう大変なんだ!しかも、立派なコテージなう! 今日はその黒髪の少女と一緒にお泊り…!」
「@Rai.M ちょっ…!お泊りって!!!そんな娘に育てた覚えはありませんっ(@ω@)」
「@Maki.K お母さん…今日の夜…わたしは少しだけ大人になりますっ! そんな夏の夕方なうっ!」
「@Rai.M なっ…なんてうらやましいことを…こっちは仕事で大変だっていうのにっ…(>△<)」

コンコン

★ドアを開ける音

★黒髪の少女(エプロン姿)

エプロン姿の黒髪の少女が目の前に現れる。
さっきの印象とはちょっと違う印象で…少し大人に見えた。

[クロ]あの…ご飯出来たのでもしよければダイニングにどうぞ~
[鈴夏]わ、ありがとう~♪ すぐにいく~♪

★クロにフェードアウト
私は同期宛に再び自慢つぶやきをする。
「@Maki.K 先ずは、ご飯を一緒に食べてきますなのです~……なう」

★家のダイニングの絵(テーブルあり、何か並んでる感じ)

到着した私の目の前には冷やしうどんと炊き込みご飯と果物が並んでいた。

[鈴夏]わぁ…おいしそう~♪ これ、全部クロちゃんが一人で作ったの?
[クロ]はい…ちょっと和風な感じにしてみました…味がお口に合えばいいんですが…
[鈴夏]いいね~!いいね! 暑い日には冷たい麺類! たまんないよー♪
[クロ]あははっ。 ……えっと…飲み物ってお茶でいいですか?
[鈴夏]うんうん、やっぱり和食にはお茶に限るよね~ よくわかってるじゃーん♪
[クロ]じゃあ、お茶もすぐに準備しますね…

クロちゃんはさっそくお茶を淹れる準備を始めた。
すごく慣れた手つきでお茶を淹れる姿は、駅前で見た小さな少女とは違っていて…
そう、本当に管理人としてそこに「いる」感じがした。

しかしたら、結構長い期間ここでコテージの管理人をしているのかな…?
そんなことを考えていると、クロちゃんが淹れ立てのお茶を持ってきてくれた。

[クロ]お茶です…少しだけ温めにしておきました… 冷たい麺類が温かいお茶でもっと美味しく感じれるので…
[鈴夏]おぉぉ~ そうなんだ!
[クロ]じゃあ…どうぞ冷たいうちに召し上がってください…
[鈴夏]うん、遠慮なくいただきまーす♪

私は箸を手に取り、冷やしうどんを食べる。

[鈴夏]ずるずる~………
[クロ]……
[鈴夏]ずるずる~………
[クロ]……
[鈴夏]……
[クロ]…………

クロちゃんがずっと私を見つめてくる。
…なんだろう、すごいガン見されてる……。
味の感想を待ってるのかな……
なんて、考えていると…痺れを切らしたクロちゃんが質問してきた。

[クロ]…えっと…どうですか?
[鈴夏]むむむっ…。クロちゃん、これは由々しき事態だよ……
[クロ]…えっ……わ、わたし、何か大変なことを……?
[鈴夏]うん、クロちゃんはすごい大変なことをしてしまってるよ!
[クロ]ええっ…!? そんな…ちゃんと味見して…確認したはずなのに…!
[鈴夏]それは…それはね…
[クロ]……は、はいっ……
[鈴夏]うん………
私は一呼吸おいて、心の中に考えている全ての言葉を一気に出す。

[鈴夏]………美味しい!すっごく美味しい!!!何なのっ!何なのっ!この美味しさ!!
[鈴夏]このうどんのコシといい、ゆで具合といい、ダシが綺麗にマッチして、おろしとのハーモニーが絶妙だし!
[クロ]ふぇぇええ?!
[鈴夏]クロちゃん!これは由々しき事態ですよ!私はこんなに美味しい冷やしうどんを食べたことが無いってば!
[クロ]はぅ……
[鈴夏]っていうわけで、もう、クロちゃんは私のお嫁さんに決定なのだぁああ!
[クロ]えええっ…お嫁さんですかっ…!? そ、それは心の準備が…!!!
[鈴夏]あはは、じょうだん、じょうだん♪
[クロ]……もう、びっくりしました。
[鈴夏]でも、本当に美味しくて、ビックリしたよ~
[クロ]冷やしうどんは…私が唯一自信のあるメニューなんです。 お口に合ってよかったです。
[鈴夏]そうなんだ~でも、京風味なうどんだよね? こっちだと、あんまり味わう機会が無いからビックリしちゃった。
[クロ]あ、そうなんです…このツユは京都のものなので……
[鈴夏]京都から取り寄せてるんだ…すごいね
[クロ]その…京都に住んでるんです…一応……
[鈴夏]そうなんだ!なるほど、クロちゃんは京美人さんなんだねっ!
[クロ]えっ…そんな……美人じゃ…ないです…
[鈴夏]またまた謙遜を~ モテモテなくせに~
[クロ]モテモテじゃないですっ…
[鈴夏]でも、京都に住んでるって…ここの管理人なのに…
[クロ]えっと、夏休み限定で管理人をやってて…
[鈴夏]あ~! なるほどね~♪
[クロ]なので、明後日までの…管理人なんです
[鈴夏]そっかぁ~! じゃあ、今日は偶然このコテージが空いてたんだね~
[クロ]…えっと…その…お客さんは…
[鈴夏]えっ…!? いないの?
[クロ]はい…昔までは常連さんが来てくれていたんですが…今では…
[鈴夏]そんなぁ…もったいなーい! こんな京美人の管理人がいるのに…!
[クロ]でも、なかなかこのコテージを知ってもらえる機会が無くて…
[鈴夏]そっかぁ…こんなに素敵なコテージなのに…
[クロ]このコテージ…気に入っていただけました?
[鈴夏]うん!とっても!
[クロ]ありがとうございます…あっ…ご飯まだあるので…どんどん食べてください…

クロちゃんは表情をあまり変える子ではないけど…ちょっと嬉しそうな表情を浮かべていた。
きっと、このコテージがとっても好きなんだろうなぁ…なんて思った。

その夜。私はベッドの中でこんなふうにつぶやいてみた
「素敵なコテージと黒髪の少女のおかげで天国みたい……なう」

☆アイキャッチ

★(佇む少女(背景なし、背風景はホワイトで))

[鈴夏]むにゃ…………ん?
[クロ]あっ…おはようございます
[鈴夏]おはよう…ございます…
[クロ]あ、あの…大丈夫ですか?
[鈴夏]…うん、大丈夫………
私はベットから上半身だけ起こして少女に笑顔を見せる。

[クロ]あ、もうちょっとで終わるので……そしたら朝ごはんにしますので~
クロは」寝癖がついた髪を必死に直していた。
でも、なかなかうまく纏まらない雰囲気だった。
[鈴夏]もしよかったら、髪をといてあげようか…?
[クロ]えっと…もうちょっとなので…
[鈴夏]いいよ、いいよー 泊めてもらったお礼だから、気にしないで…ほら、ここに座って
[クロ]じゃあ…お願いします…

★髪をとくイベント絵(これはどうしよう…削る?)
クロの背中に回りこみ、綺麗な長い髪ヘまっすぐとアブラシを落としていく。
綺麗なクロの髪が太陽の光に反射してエンジェルリングを作り始める
私は髪を梳かすことに集中しながら、クロに話しかける。
[鈴夏]それにしても、ここは夏なのにここは涼しいね」

★(田舎の風景 家と小川がある写真)
[クロ]そうなんです…避暑地としてきてくれる方も多かったんです
[鈴夏]だよねー。わかるわかる~♪
[鈴夏]いつもはジメジメした空気で起きちゃうんだけど、今日は気持ちよく起きることができたよ
[クロ]私も、夏は実家よりもここにいるほうが気持ちいいです…
[鈴夏]逆に、冬はものすごく寒そうだよね…雪とか積もっちゃうんじゃない?
[クロ]そうなんです…すごい寒くて……でも、暖炉がすごく暖かいんです
[鈴夏]わぁ! 暖炉があるんだ! それ…すっごく素敵じゃない!
[クロ]ほんとですか…ありがとうございます…!
[鈴夏]冬になったら絶対にまた来る! 暖炉で暖まりたい~♪
[クロ]えっ…えっと……
[鈴夏]さっ…どうかな?
そう言って、鏡をクロに渡す。
自分の髪を確認して、とりあえず納得した様子。
[クロ]はい、バッチリです…ありがとうございました
[鈴夏]いいえ、どういたしまして
[クロ]それじゃあ、今度は…私がお礼しないと…ですね
[鈴夏]えっ…お礼?
[クロ]はい…もらってばかりも…悪いですし…
[鈴夏]うーん、それなら……ちょっとこの辺りを案内してくれる?
[クロ]案内…ですか?
[鈴夏]そう、この辺りの風景を写真に収めたくてさ…
[クロ]写真…ですか?
[鈴夏]この旅はさ、見たことない風景を写真に収めたくて始めたんた
[クロ]見たことない…風景?
[鈴夏]うん、コンクリートばかりの風景はもう…飽き飽きしてるんだ
[クロ]えっと……
[鈴夏]こんな綺麗な風景がたくさんあるんだから、ぜひ写真に残そうかな…ってね
[クロ]じゃあ、ちょっと歩くんですが小さな川まで行きますか?
[鈴夏]川かぁ…いいね、涼しそうだ
[クロ]それに、綺麗な水があるんです…すごく透明で…綺麗なんですよ
[鈴夏]うん、じゃあそこに連れて行って~♪
[クロ]じゃあ、朝御飯の後に…一緒にいきましょう
[鈴夏]りょうかーいっ! あっ、じゃあ…その前に…

「むくりなうっ! これから朝御飯たべるのです…なう」

[鈴夏]つぶやき…完了…っと
[クロ]…つぶやき?
[鈴夏]うん、ネットワーク上でみんなつぶやいてるんだよ~ ほら、こんな感じ~

私はタイムライン上のつぶやきをクロちゃんに見せる。
[クロ]わ、これ…みんな…つぶやいてるんですか?
[鈴夏]そだよぉ~ ちなみに、ここに表示されてるのは…私の知り合いだけなんだよ~
[クロ]じゃあ、もっと多くの人が実際にはつぶやいてるんですか?
[鈴夏]うん、そうなんだよぉ~ もう、びっくりだよね~♪

ぐぅ~
ちょっと油断したのか…不意に私のおなかが鳴ってしまった。

[鈴夏]あぅ…
[クロ]あ、ごめんなさい…すぐに朝御飯の準備しますね

トタパタとクロちゃんはキッチンに掛けていった。
そして、その15分後に…こんな呟きをすることになる。

「黒髪の少女の朝御飯が美味しすぎて、体重が心配かも……なう」

☆アイキャッチ

★田舎の風景2
美味しい朝御飯を食べた後…私達はさっそく渓流に向かって出発した

[鈴夏]いいね!いいね!こういう写真が撮りたかったんだよ~♪
★(白いフラッシュ)
歩く途中に出会う風景はもちろん見たことがないものばかり。
どんどん変化するその風景に、ただ夢中にシャッターを下ろした。
★(白いフラッシュ)×2
[鈴夏]100枚以上の写真データが生まれていた。
[クロ]そんなに、珍しいですか?
[鈴夏]もちろんだよ…なんだか、天国にきてしまった気分~♪
★(白いフラッシュ)
[クロ]て、天国…ですか
[鈴夏]うん、もうすっごい癒されまくりだよ~ これがマイナスイオン効果なのかな?
[クロ]そういえば…そういえばそういう事を言われる方もいらっしゃいました…
[鈴夏]そうだよねぇ~ こんないい所が注目されないわけ無いもんね~
[鈴夏]運よくあいてるところに滑り込めた私ってラッキーだったなぁ~♪
[クロ]それはその……
[鈴夏]おっ…もしかしてあそこに見えているのが教えてくれた川だよね!
[クロ]えっと……そうです、あそこです…

★川辺の写真
[鈴夏]うわぁ…すごく冷たい!
透明で綺麗な川の冷たさに、思わずビックリしてしまう。
[鈴夏]こんな綺麗な風景と川があるなんて最高だなぁ…
[クロ]気に入りましたか?
[鈴夏]もちろんっ! こんなに最高な気分は久しぶりだよ
[クロ]気に入ってもらえてよかったです…ここは私もすごく気に入っている場所なんです…
そう言って少女は川の水に足をバタバタさせる。
その光景はまるでドラマのワンシーンの様な…整った美しさがあった。
そして気がつくと…スマートフォンカメラのシャッターに手をかけていた。

★(白いフラッシュ)
[鈴夏]黒髪の少女が…水浴び中…なう
[クロ]えっ…
[鈴夏]てへっ…撮っちゃった…
[クロ]わわわっ…いきなりとっちゃダメです…
[鈴夏]なんだか…すごいシャッターチャンスだったから…
[クロ]えっ…もしかして…すごく変な顔してたりしたんですか…?
[鈴夏]ううん、そんなことはなかったよ…すごく綺麗だったから…思わずシャッター押しちゃった…
[クロ]わわわっ…髪がボサボサになってたりしませんか?
[鈴夏]なってない、なってない
[クロ]……ほんと…に?
[鈴夏]うん、とっても可愛かったよっ
[クロ]はぅっ…
思わず少女は下をうつむく。
顔がすごく真っ赤になってる…

★(白いフラッシュ)
[鈴夏]黒髪の少女が…恥ずかしがっている…なう
[クロ]わわっ…また…
[鈴夏]だって…そんな表情されたらカメラに収めたくなるじゃん…
少しイジワルな顔を少女に向ける。
するとその少女はダダダッと近づいてきてスマートフォンを奪い取った。
[クロ]もう…ダメですっ…没収ですっ!
少女はカメラを奪い首を横にぶんぶん振っている。
[鈴夏]ごめんごめん、もう撮らないから…
[クロ]ホントですか…?
[鈴夏]うん、ホントホント
[クロ]…なんだか…すごくイジワルそうな顔してます…
おっと、思わずイジワルな顔のままだったみたいだ…
[鈴夏]ばれたか…こうなったら…最後の手段!
[クロ]えっ…?
かばんの中から…今度はコンパクトデジタルカメラを取り出す。
[鈴夏]こんなこともあろうかと…!もう一個持っていたのだっ!
[クロ]えっ…わわわっ…
[鈴夏]カメラはスピードが命っ!
スマートフォンを丁寧に両手で持っている少女に対して狙い撃つ。
★(白いフラッシュ)
[鈴夏]この写真の題名は『スマートフォンとクロちゃんが出会う』です…なう
[クロ]あぅあぅ…
クロちゃんは必死にスマートフォンをいじくろうとするが、なかなかカメラモードには切り替わらない。
私はジリジリと少女に接近し…少女が必死に操作をしているスマートフォンの画面を覗き込む
[鈴夏]その画面のカメラみたいな所を押すとカメラが起動するのだ~
★(白いフラッシュ)
[クロ]あっ…ほんとだ…画面全部にカメラの映像が映るんだ…
[鈴夏]あとはそこの丸いボタンを押せば、なんと簡単! それだけで、写真がとれるのだ~
★(白いフラッシュ)
[クロ]あっ…ほんとだ…
[鈴夏]ぬぁっ…しまった…
いつの間にかスマートフォンをこちらに向けていたクロちゃんは…迷うことなく私にシャッターを下ろしていた。
[鈴夏]もう…やったなぁ~!
★(白いフラッシュ)
[クロ]わわわっ、そんな近くで撮っちゃダメですっ!
[鈴夏]黒髪の少女の度アップ写真を撮ってしまった…なう…
[クロ]だっ…だめです…それなら…私だって……
[鈴夏]ちょっと…さすがにそれは近すぎるよぉ~ っととと
クロちゃんが一気に詰め寄ってきたので、私は思わず体制を崩してしまう
[クロ]きゃっ…!
そして、クロちゃんも足元を奪われたのか、私にもたれ掛かってくる
体制を整えそこなった私は、一気にクロちゃんから押し倒されてしまった。

★シェイク

押し倒されたときに瞑った目を開いてみると、距離5センチくらいのところにクロちゃんの顔があった。
[クロ]す、すみません……だ、大丈夫ですか?
[鈴夏]……
[クロ]えっ…もしかして、どこか痛めてしまったり……
クロちゃんは慌てて起き上がろうとする…
そんなクロちゃんに…私は少しだけのイタズラをしてしまう
[鈴夏]黒髪の少女に…押し倒されてしまった…なう
[クロ]えっ…!? そっ……そんなつもりじゃ…
[鈴夏]綺麗な目…してるんだね…
面白いくらいに真っ赤になるクロちゃん。
[クロ]あわわっ…えっと…えっと~~
クロちゃんは上半身をなんとか起こし、そっぽを向いてしまう。
私も起き上がるために、クロちゃんの肩を抱き寄せるような感じで上半身を起こす。

[クロ]えっと…その…近い…近いです…!
[鈴夏]だって…もう私…我慢できない……

私はクロちゃんのスマートフォンを持っている手を掴み…
ソッポを向いてしまったクロちゃんの表情を掴み…
自分の手をクロちゃんの手に絡ませ…スマートフォンの画面をタッチする。

★(白いフラッシュ)

[鈴夏]くろちゃんとラブラブなのです…なう
[クロ]わわわっ…
クロちゃんは私の不意打ちにビックリしたのか、体を硬くして身を守っている。
私はクロちゃんの髪を撫でながら、その緊張を解しにかかる。
[鈴夏]あはは…私すごい表情で写真に写ってる…!
[クロ]もう…鈴夏さんは強引です…
[鈴夏]だって…クロちゃん…可愛いから…しょうがないじゃん…
[クロ]か、可愛くなんてないです…
最初は必死に抵抗を試みるクロちゃんは、諦めたのか…私に寄り添うようにもたれ掛かってきた。
[鈴夏]もう、クロちゃんって…こんなに可愛いんだよぉ~?
私は画面に映るクロちゃんを指差しながらそんなことを言う。

[クロ]もう…イジワルしちゃだめです…
[鈴夏]あはは…ごめんごめんっ
[クロ]そんなイジワルな人には…お昼のサンドイッチあげないです…
[鈴夏]ぬあっ!それなら、私はクロちゃんを食べちゃうしかないねっ…!
[クロ]わわわっ…そんなギューってしちゃダメです…っ!
[鈴夏]ああっ…もう、可愛いなぁ~♪
[鈴夏]まったく…世の男の子達は何をやってるんだっ…!
[鈴夏]こんなに可愛い子が管理人をやってるのに…だれも告白に来ないなんてっ…!
[クロ]そんな…告白なんて…
[鈴夏]けしからん!けしからんですよぉー!
[クロ]わわわっ…だからそんなに強くギューって…しちゃダメですっ~!
[鈴夏]こうなったら…悪い虫(男の子)がこのペンションを継ぐとか言う前に…私が会社やめてここのオーナーになってやるぅうう!
[クロ]えっ……
[鈴夏]そして、私とクロちゃんでラブらぶなペンション生活を送っちゃうんだっ!
[クロ]………
[鈴夏]……ん、どうしたの?
ふと、クロちゃんを見ると…笑っているのか泣いているのか…よくわからない表情になっていた。
もしかして…ちょっと元気よくいじめすぎちゃったかな…?
なんて不安になっていると、クロちゃんは私の腕を掴みながら…そっとつぶやいた。
[クロ]…そんな未来も…あったら面白い…ですよね?
[鈴夏]えっ…私と一緒に…?
[クロ]あっ…その…そういうわけではなくて…
[クロ]一緒にペンションを経営してみたかったな…って…
[クロ]鈴夏さんみたいなオーナーさんがいて…私も楽しくお掃除してて…
[鈴夏]あはは…そうだね…そういう人生も悪くないかな~?
[鈴夏]でも、夏の間だけ…とかだったら来年にでも…
[クロ]……最後なんです
[鈴夏]えっ…最後? 最後って…?
[クロ]実はこの辺り一帯は…ゴルフ場に…変わるんです…
[クロ]だから…私のペンションも…そういうお客さんのための施設に変わるんです…
[鈴夏]えっ…そ、そうなんだ……
[クロ]だから…毎年の臨時管理人さんのお仕事も…
★ブラックアウト
[クロ]まもなく…最後なんです

目に涙を浮かべながら気丈に話すクロちゃんを…私はいつの間にか抱きしめていた。
喋ってしまって楽になったのか…クロちゃんは一気に私の胸元で声を殺して泣き始めた。
私はただ、クロちゃんを抱きしめることしか出来ず…そのまま優しく抱きしめ続けた。
そして、私はスマートフォンを使って後悔の念をつぶやく。

「私の楽観的な言葉で…黒髪の少女を泣かせてしまいました…反省……なう」

☆アイキャッチ

Copyright (C) NewfrontiaSoftware 2011. All Rights Reserved.