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何色にも、染まらない ~It doesn't dye even to the color. ~

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何色にも、染まらない ボツ原稿おきば。なーむー。

■ S U M M E R ■

☆2 一緒の生活

★黒背景

「すみません、この書類って…」
「あぁ、その書類は…って、これじゃあダメだよ」
「あのー、内線の2番にお電話ですよー」
「はいはい、内線の2番ね……えっと、ちょっと書類のことは跡で説明するから待っててね……はい、……商事です」

★白背景に変化

「その案件につ……」
「あんけん?」

★(佇む少女(背景なし、背風景はホワイトで))

目を覚ますと目の前には昨日の少女が起き上がっていた

「大丈夫…ですか?」
「…うん、大丈夫…えっと…おはよう」
「はい、おはようございます」
寝癖がついた髪を直しながら少女が答える。
「……」
少女は必死に寝癖を直している…が、なかなかうまく纏まらないようだ。
「もしよかったら、髪をといてあげようか?」
「いや、そんな…」
「泊めてもらったお礼だから、気にしないで…ほら、ここに座って」
カバンからヘアブラシを取り出しながら、少女に笑顔で微笑む。

★黒背景に変化
「じゃあ…お願いします…」

★髪をとくイベント絵
少女はイスにゆっくりと座り、こちらに綺麗な長い髪を向ける。
その神に対して…まっすぐにヘアブラシを落としていく。
さて、何から話したものか…

「それにしても、ここは夏なのにここは涼しいね」
★(田舎の風景 家と小川がある写真)
「はい、そうですね…ここはとっても涼しいです」
「いつもはジメジメした空気で起きちゃうんだけど、今日は気持ちよく起きることができたよ」
「あはは…そうですね、わかります」
「逆に、冬はものすごく寒そうだよね…すごく雪とか積もりそう」
「えっと、そうですね…雪…積もりますね…」
なんだか釈然としない答えが帰ってきた。
「電気も届いてないし、どうやって暖をとってるの?」
「それは…あの…だ、暖炉で……」
「ああ、あそこにある暖炉だよね…うんうん、なんか…すごい年期が入った暖炉だね」
「……」
「さっ…どうかな?」
そう言って、鏡を少女に渡す。
少女は自分の髪を確認して、とりあえず納得した様子だった。
「はい、バッチリです…ありがとうございました」
「いいえ、どういたしまして」
「それじゃあ、次は…私がお礼しないと…ですね」
「えっ…お礼?」
「はい…もらってばかりも…悪いですし…」
「うーん、それなら……ちょっとこの辺りを案内してくれる?」
「案内…ですか?」
「そう、この辺りの風景を写真に収めたくてさ…」
「写真…ですか?」
「この旅はさ、見たことない風景を写真に収めたくて始めたんた」
「見たことない…風景?」
「うん、コンクリートばかりの風景はもう…飽き飽きしてるんだ」
「……」
「こんな綺麗な風景がたくさんあるんだから、ぜひ写真に残そうかな…ってね」
「じゃあ、ちょっと歩くんですが小さな川まで行きますか?」
「川かぁ…いいね、涼しそうだ」
「それに、綺麗な水があるんです…すごく透明で…綺麗なんですよ」

★黒背景に変化

☆アイキャッチ

★黒背景に変化
それから朝御飯を食べ、それなりの準備をして僕はその少女と一緒に川まで出かけた。

★田舎の風景2
歩く途中に出会う風景はもちろん見たことがないものばかりだったから…
★(白いフラッシュ)
どんどん変化するその風景に、ただ夢中にシャッターを下ろした。
★(白いフラッシュ)
見たこともないような花が数多く咲きみだれ、カメラの半分以上を埋め尽くしてしまった。
「そんなに、珍しいですか?」
そう少女から問いかけられたので、少し興奮気味に返事をする
「もちろんだよ…なんだか、違う世界にきてしまった気分さ」
「違う世界…ですか」
「うん、あんなコンクリートジャングルは…もうウンザリだよ」
「……」
「こんな綺麗な風景がいつも見れるキミが羨ましいよ」
「私は…私は新しい風景を見てみたい…です」
「新しい風景…あぁ、そっかここの景色は君には見慣れた景色になるのか…」
「…えっと、その…そうなります…」
「じゃあ、…どんな新しい風景が見てみたいのかな?」
「えっと…コンクリートジャングル…見てみたいです」
「…え?」
「本当に…ジャングルなんですか?」
「あぁ、ごめんね、紛らわしい言い方をしちゃって…」
「別にジャングルっていうか…まあ、高層ビルとか雑居ビルとか…」
「そういうのがたくさん連なってる場所が…コンクリートジャングルかな…」
「いいなぁ…私もそんなビルがたくさんある場所で生活してみたいです…」
「うーん、なんか都会的で羨ましいなんて思ってるかもしれないけど…そんないいものじゃないよ?」
「そうなんですか…?」
「そりゃ、そうだよ…狭いし、息は詰まるし、生きた心地はしないし…もう最悪なんだ」
「それでも…見てみたいです…」
「あはは、それなら…私が連れていってあげるよ」
「ほんとですか?」
「うん…でも、期待はしないでね…?」
「はいっ、ありがとうございます!」
都会への憧れなのかなぁ…なんて思いながら山道を進んでいると
ついに綺麗に澄み渡る川が見えてきた。

★川辺の写真
「うわぁ…すごく冷たい!」
透明で綺麗な川の冷たさに、思わずビックリしてしまう。
「こんな綺麗な風景と川があるなんて最高だなぁ…」
「気に入りましたか?」
「あぁ、もちろん…こんなに最高な気分は久しぶりだよ」
「気に入ってもらえてよかったです…ここは私もすごく気に入っている場所なんです…」
そう言って少女は川の水に足をバタバタさせる。
その光景はまるでドラマのワンシーンの様な…整った美しさがあった。
そして気がつくと…カメラのシャッターに手をかけていた。

★(白いフラッシュ)
風景ばかりを収め続けたこのカメラが…初めて人物を収めた瞬間だった。

「えっ…」
「てへっ…撮っちゃった…」
「わわわっ…いきなりとっちゃダメです…」
「なんだか…すごいシャッターチャンスだったから…」
「えっ…もしかして…すごく変な顔してたりしたんですか…?」
「ううん、そんなことはなかったよ…すごく綺麗だったから…思わずシャッター押しちゃった…」
「わわわっ…髪がボサボサになってたりしませんか?」
「なってない、なってない」
「……ほんと…に?」
「うん、とっても可愛かったよっ」
「はぅっ…」
思わず少女は下をうつむく。
顔がすごく真っ赤になってる…

★(白いフラッシュ)
「わわっ…また…」
「だって…そんな表情されたらカメラに収めたくなるじゃん…」
少しイジワルな顔を少女に向ける。
するとその少女はダダダッと近づいてきてカメラを奪い取った。
「もう…ダメですっ…このカメラは…没収ですっ!」
少女はカメラを奪い首を横にぶんぶん振っている。
「ごめんごめん、もう撮らないから…」
「ホントですか…?」
「うん、ホントホント」
「…なんだか…すごくイジワルそうな顔してます…」
おっと、思わずイジワルな顔のままだったみたいだ…
「ばれたか…こうなったら…最後の手段!」
「えっ…?」
かばんの中からもう一つのカメラを取り出す。
「こんなこともあろうかと…!もう一個のカメラを持っていたのだっ!」
「えっ…わわわっ…」

★(白いフラッシュ)
カメラはスピードが命っ!…といわんばかりに一瞬でフォーカスを合わせて少女を狙い撃つ。
「もう…イジワルな人にはお返しです!」
すると、少女も反撃とばかりにこちらにカメラを向けてくる。

……
「あれ…どうして…?」
どうやら少女はカメラのシャッターを強く押さないといけないことを知らないみたいだ。
おろおろしている少女の後ろに回りこみ、そっと少女の手に自分の手を重ねる。

「ほら、半分まで抑えるとカメラが…勝手に合わせてくれるから…」
「は、はい…」
「ここだと思ったところで…一気に強く押す!」

★(白いフラッシュ)
「ほら、撮れたでしょ…」
少女の顔からカメラを離させ、ディスプレイで今撮った写真を確認させる。
「ほんとだ…残ってる…」
「今時のカメラってスグに確認できるからね…とっても便利でしょ」
「…すごい」
「えへへ…自慢のカメラなんだぞ~?」
まぁ、師匠から安く売ってもらった中古品なんだけど…
でも、とってもいい物だから自慢してみる。
少女は目を輝かせながらカメラを色々と見回して…
再びカメラを顔に近づけてシャッターを落とす。

★(白いフラッシュ)
「っわわわ!」
いつの間にか少女のカメラはこちらに標準を向けていた。
少女はカメラに収まったばかりの画像をこちらに向けている。
「これで…おあいこです」
なんて舌を出しながら少しイジワルな表情を向けてくる。
「やったなぁ…!」

★(白いフラッシュ)
★(白いフラッシュ)
★(白いフラッシュ) ※だんだん弱く

こうして、綺麗な川の周りで…フラッシュの光によるパーティが開催された。
そのパーティはカメラのバッテリーが切れる夕方まで続くことになった…。

その4へ

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